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2023年10月1日日曜日

羽生結弦は「神でもあるけど…天使です」 三浦佳生

















羽生結弦は「神でもあるけど…天使です」 三浦佳生がNHK杯に挑む

坂上武司















三浦佳生物語(上)

 すっかり辺りが暗くなった東京・東伏見のダイドードリンコアイスアリーナ。外にあるアスファルトの通路を、猛然とダッシュするジュニア男子選手を見つける。

 マスクをつけ、約25メートルある通路を思いっきり3往復。道にある落ち葉が、走る勢いで舞い踊っていた。

 「羽生結弦選手へのリスペクトです。羽生選手のアップしている姿を見て、自分もダッシュを採り入れてみようと。屋内より外の方がいいかなと。その方が演技で動きが良くなるかなと思って、今年からやっています」

リスペクトする羽生結弦と7月に共演。改めて感じた思いとは

 その約30分後、彼は勝負のリンクに上がった。

 10月30日、東日本選手権のジュニア男子フリー。ショートプログラム(SP)首位の三浦佳生(かお)(16)=目黒日大高=は最終滑走。予定していた3本の4回転のうち、冒頭のトリプルアクセル(3回転半)に続く4回転サルコーは1回転に。残る2本の4回転トーループは着氷させたが、出来栄え点(GOE)はマイナス。それでも2位に17・11点の大差をつけて、大会2連覇を飾った。

 「ダッシュで動き過ぎてしまったかな」。自慢のジャンプをきれいに決めることができず、頭をかいた。

 そんな三浦は、12~13日に行われるグランプリ(GP)シリーズのNHK杯(東京・代々木)に出場する。昨年も出場したが、海外選手が出場する本物のGPシリーズとしては初参戦だ。16歳はいやが応でも力が入る。

 「もうワクワク感しかないです。五輪で金、銀のメダリストという、テレビで見ている存在と一緒に滑ることができる。GPのデビューで、こんな貴重な体験はない」。“もう早く試合をしたい”――。そんな勢いだ。

 昨年、初出場した全日本選手権で7位に入り、新人賞をもらった。三浦は男子の次世代を担う16歳だ。そんな三浦の憧れは、五輪2連覇の羽生結弦(ANA)だ。

 羽生とは今年7月にはアイスショーのドリーム・オン・アイスでも共演した。改めて感じた思いはこうだ。

毎週水曜日にフィギュアスケートにまつわる話題をお届けします.

 「神でもあるし……。神でもあるんですけど、それだけじゃないんですよ。そうですね。何というか、そう、天使です。天使の要素もあるんですよ。羽生選手って、曲によって演じ分けがすごいので、エキシビションとかを見ると、はあ、天使だなあという感じでした」

 アイスショーの合間には「めっちゃ話しかけてもらいました」といい、「幸せでした」と振り返る。

 三浦 「僕は食べ物は肉ばかり食べるんですよね」

 羽生 「お肉ばかりじゃなくて、野菜も食べないとニキビが治らないよ」

 三浦によると「羽生選手はめっちゃ野球にも詳しかったです。楽天の結果を気にしていて、今日のリリーフは誰々が投げているとか僕も知らないようなことを話してくれたりして、うわ、詳しいなと思いました」。

 とまあ、こんな感じだったそうだ。

 羽生だけでなく、宇野昌磨トヨタ自動車)ともアイスショーでは共演。間近で見て勉強になったという。

 「宇野選手は秘めた思いをスケートで表しているイメージ。動きがすべて、何をしても様になる。体が音楽の一音一音を拾って、滑りで曲を表現できるのはすごい」

 五輪金メダリストの羽生、銀メダリストの宇野との競演を本当に心待ちにしていたが、羽生が右足首のけがのためにNHK杯を欠場することを4日に発表。三浦は「残念ですが、ケガが早く良くなることを祈っています。また演技を見られるのを楽しみにしています」。

 三浦自身のことに話を戻そう。ブロック大会の東京選手権、東日本選手権を見る限り、滑りのスピードは昨季よりグッと増している。自分のスピードをどうコントロールして、三浦の持ち味である高く大きな4回転ジャンプにつなげていくか。ここが鍵になりそうだ。それは、三浦自身が一番よく分かっていることでもある。

 今季は新たな4回転としてループも練習では決めているが、「まずはトーループとサルコーをきちんと決めて、自分のベストを出す」ことがNHK杯の目標になる。そして「会場が盛り上がる、スタンディングオベーションをもらうことを目指します」と意気込む。

 三浦は大の野球ファン。ソフトバンクの熱烈なファンだ。今年は4位で日本シリーズ進出をかけて戦うCS(クライマックスシリーズ)出場を逃している。

 「ソフトバンクは主力のケガが続いて悔しい思いをした。新監督にもなるし、来年に期待しています」

 ソフトバンクがCSに出場できなかったかわりと言っては何だが、GPシリーズのNHK杯には三浦がいる。世界に「カオ」を売り込む、絶好のチャンス到来だ。坂上武司



































昨年12月の全日本選手権で憧れの羽生結弦と記念撮影をした三浦佳生(左)=本人提供




































































































鍵山優真・佐藤駿・三浦佳生 元祖「関東三羽がらす」がエースを狙う

坂上武司









 ジュニア時代からしのぎを削り合い、かつて「関東三羽がらす」、はたまた「卍(まんじ)ボーイズ」と呼ばれた3人の男子がこの春、新しいスタートを切った。

 2月の北京五輪で銀メダルに輝いた鍵山優真(19)=オリエンタルバイオ・中京大=、2019年ジュニアグランプリ(GP)ファイナルで日本男子4人目の覇者となった佐藤駿(18)=明大=、そして昨年全日本ジュニア選手権を制した三浦佳生(かお)(17)=オリエンタルバイオ・目黒日大高=の3人だ。

 それぞれ神奈川や埼玉に拠点を置き、ジュニア時代は表彰台を3人で分け合うことが多かった。

 鍵山と佐藤は4月、中京大と明大にそれぞれ進学。さらに鍵山と三浦は5月、健康食品会社「オリエンタルバイオ」のスケート部に所属することになった。

 この3人の中で、最も世界のトップと近い場所で戦っているのが鍵山だ。

 4回転ジャンプを跳び、スピンやステップでも最高難度のレベル4を獲得するなど、どの要素でも完成度の高い技を繰り出す。

 「また次のオリンピックに視野を向けているんですけど、目の前の課題や目標をコツコツとクリアしていくことが一番大事だと思う」

 五輪メダリストになっても、しっかりと足元を見つめている。

 「新しい(種類の)4回転もそうですけど、表現力だったり、スピンだったり、自分はオールラウンダーをめざしている。もっともっとそういう部分を磨いていって、自分の理想としているフィギュアスケーターになれたらいいなと思っています」

 昨季のGPシリーズ・フランス杯は、鍵山が優勝。2位に入ったのが、同じ03年度生まれの佐藤だった。売りは、ジャンプ。4回転ルッツ、4回転フリップという二つの高難度のジャンプを一つのプログラムで成功させるほど能力が高い。

 ただ、故障を抱えていた左肩を2月に手術。今は新シーズンに向け、調整を続けている真っ最中だ。

 「昨季とはまた違ったところを見せられるといいかなと思います。昨季を超えられるように頑張りたいなと思います」

 少し控えめなところが、佐藤らしい。

 佐藤は鍵山について、「氷上とオフアイスでは、ちょっと違いますね」と明かす。「氷の上ではすごいですけど、オフアイスでは一緒にゲームをしたりしています。少しギャップがありますね」

 鍵山、佐藤より2学年下だが、三浦の勢いも印象的だ。

 4月にあった世界ジュニア選手権(エストニア)は、左太ももの肉離れの影響もあって13位に終わったが、1月の四大陸選手権(同)ではシニアの選手に割って入り、3位になった。

 「『スピードがすごくある』とよく言われる。そのスピードを生かして、ジャンプを跳ぶのが自分の長所。でも、スピードを出すのは結構リスキーなところがあって。ダイナミックになる分、転倒した際の衝撃とか、空中で軸を作るのがすごく大変」

 著しい成長の中でも、自らへの視線は冷静だ。

 「最近はそういった面をコントロールできるようになってきている。だんだん自分の強みを生かせるようになってきているのかなと思います」

 三浦は、ちょっとやんちゃな弟的な存在。年上の鍵山を「優真」、佐藤を「駿」と下の名前で呼ぶ。

 それを佐藤に尋ねてみると、「もう小学校の頃からずっと同じ呼び方だったので、あまり違和感はないですね」と笑った。

 鍵山の三浦評はこうだ。

 「『練習の鬼』だなと。本当に練習量が半端ない」

 だからこそ、体には気をつかってほしいとも。

 「これからどんどん、時代を背負って、将来を背負っていく選手だと思うので、僕も負けられない。切磋琢磨(せっさたくま)して、お互いを高め合っていけるように努力したいと思います」

 ここ数年、日本男子は五輪2連覇の羽生結弦(27)=ANA=、3月の世界選手権を制した宇野昌磨(24)=トヨタ自動車=が引っ張ってきた。

 鍵山は今、その域に近づきつつある。佐藤、三浦はどれだけ追い上げられるか。互いに刺激しあいながら、10代の若武者たちが高みをめざしている。坂上武司
















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