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2015年8月12日水曜日

羽生結弦 ・ 明かした胸中、 集大成へ高難度プログラム挑戦







羽生結弦、明かした胸中 集大成へ高難度プログラム挑戦



 朝日新聞デジタル 

8月12日(水)19時1分配信


3年後の平昌五輪で2連覇を果たし、フィギュアスケート人生の集大成にすると誓った羽生結弦(ANA)。ライバルのパトリック・チャン(カナダ)が休養から復帰する新シーズンに向け、拠点のカナダ・トロントで、より高難度のプログラムの習得に励む。


 トロントの中心部から、車で北へ約20分の郊外にある「クリケット・クラブ」。羽生はこの地を拠点にして、4季目を迎える。6日、練習を公開した。

 「スケートのためだけに、異国に来ている感覚。よりスケートに打ち込まなくてはならない。教室にいたら、勉強しないといけないみたいな」。オフの日も散策や外食はほとんどせず「スケートのためにとにかく休む」。早大の通信課程に在学し、リポートの提出にも追われているという。

 昨季は中国杯での衝突事故や下腹部の手術、世界選手権で連覇を逃すなど試練が続いた。オフはアイスショーで日本各地を巡り、トロントに戻ったのは7月末だった。

 「滑り込めていない。一番調子が悪い時は、トリプルアクセルが跳べなくなるくらいになる」。体重もベストより数キロ軽い。だが、昨季の経験を通じ「あまり怖いものはなくなった」と言い切る。「どんな状況、環境でも、あれを乗り越えたからどうにでもなるのではという気持ちが少しある。よりうまくなれる、より自信をもって滑れると思うし、より効率よく練習できると思う」

■大人への脱皮図る

 新シーズンに向け「さらにハードルを上げた感じ」と話すのは、ショートプログラム(SP)だ。昨季と同じショパンの「バラード第1番」を使用するが、昨季は断念した演技後半の4回転ジャンプに再び挑む。

 それだけではない。ジャンプを跳ぶ前や、技のつなぎで複雑なステップを増やし、出来栄え(GOE)や演技構成点で上積みを狙う。美しいスケーティングで、世界選手権3連覇の経験があるチャンに対抗するためでもある。ブライアン・オーサー・コーチは「105、6点を狙える構成だ」と語り、羽生がソチ五輪で出したSPの世界最高得点(101・45点)を超えることを期待する。

 「クラシック曲は難しい。昨季はジャンプでいっぱいいっぱいだった」と羽生。フリーで使う映画「陰陽師(おんみょうじ)」の曲は、物語の場面を想像しながら演じられるが、SPはピアノの旋律だけ。「無の状況から、自分の気持ちを生み出して表現することがまだできない」と課題を挙げる。表現面で幅を広げることは、3年後の五輪に向けて成長が求められる要素だ。「(ピアノの旋律を)耳で聴きながら、曲を自然に解釈して、皆さんに視覚でも楽しんでもらいたい」。20歳になり、スケートでも大人への脱皮を図る。

 練習後、新聞各社の取材に「ソチで(金メダルを)取って、その次の五輪で取って終わって、そこからプロをやろうと小さいころから決めていた」と語り、平昌五輪を区切りにプロへ転向する意向を示した。ただ、関係者によると、発言が大きく報じられて戸惑ったという。五輪後の去就は考えず、レベルアップに集中する。

 今季の初戦は、10月中旬にカナダで開かれるオータム・クラシック国際の予定だ。同月末のグランプリシリーズ初戦・スケートカナダで、いきなりチャンと対決する。「ワクワクしているが、今はそういうことに気を取られている場合ではない。自分が成長できることを心がけている」
(文と写真・前田大輔)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150812-00000044-asahi-spo









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